ジャズをベースに、各シンガー/バンドが個性を発揮。「第4回品川区アマチュアジャズコンテスト〜音楽で広げる交流の輪〜」が盛大に開催

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■文:原田和典 写真:瀬戸優

 「第4回 品川区アマチュアジャズコンテスト 〜音楽で広げる交流の輪〜」の本選が1月14日、品川区・荏原文化センター 大ホールで開催された。これは「しながわジャズフェスティバル」(3月17日に同所でメインコンサートが行なわれる)の一環として実施されたもので、「このコンテストが地域文化の振興、アマチュアミュージシャンの育成、ジャズファンの開拓・拡大につながれば」と、フェスティバル実行委員会代表の平野学さん(品川音楽企画)は語る。

品川区立延山小学校 金管バンド

 第1部の最初に登場したのは、「品川区立延山小学校 金管バンド」。管楽器は、その名の通り一切リード楽器類は含まず、10トランペット+6アルト・ホルン+9トロンボーン+7ユーフォニアム+2チューバで構成されている。演奏されたのはAdoの「新時代」と東京スカパラダイスオーケストラの「Paradise Has NO BORDER」。私も子供の頃ハンニバル・マーヴィン・ピーターソンの演奏ぶりをテレビで見てトランペットを吹きたいと思ったものだが、当時、私が住んでいたところには教育機関も、楽器店もなかった。「品川区立延山小学校 金管バンド」の面々が今後も音楽を愛し、活動し続けてくれることを心から願う。

 続いては「第3回 品川区アマチュアジャズコンテスト」のウィナーたちによるステージだ。ボーカル部門で優勝した女性4人編成のグループ「fun!」は、「ワルツ・フォー・デビ―」を市川秀男トリオの伴奏で歌い、バンド部門優勝のビッグバンド「BCP」は、ブリュッセル・ジャズ・オーケストラの「Neige」を快演した。

市川秀男トリオ(市川、吉野弘志、小松伸之)とfun!
BCP

 第2部は「ボーカル部門」。計7組(いずれも女性ソロ)が、市川秀男トリオ(ベース:吉野弘志、ドラム:小松伸之)の伴奏を得て、個性を発揮した。審査員は、中村誠一、本多俊之、小山太郎、市原ひかりといったプロ・ミュージシャンたち。厳しくも暖かいコメントが、歯切れよく飛び出した。

 第3部の「バンド部門」では7バンド(1つはビッグバンド)が登場。モダンジャズ系を中心に、フュージョン系、ラテン系も含むバンドが小気味よい演奏を聴かせた。ここからは審査委員長の市川秀男も審査に加わり、審査はいっそう白熱した。

~ボーカル部門~
優勝:片野麻代 「オン・ア・クリア・デイ」
準優勝:井上夏代 「ジス・キャント・ビー・ラブ」
ボーカル審査員特別賞:片野麻代

~バンド部門~
優勝:京浜 Jazz Explosion 「ワープ9」 
準優勝:Banda del casa “Bonito”(5人編成のグループ)「Yemaya」

~ベストプレイヤー賞~
​ベストプレイヤー賞:京浜 Jazz Explosion 高橋祐一(トランペット)

〈優勝/ボーカル審査員特別賞〉片野麻代
〈準優勝〉井上夏代
〈優勝〉京浜 Jazz Explosion
〈優勝〉京浜 Jazz Explosion
〈準優勝〉Banda del casa “Bonito”
〈準優勝〉Banda del casa “Bonito”
〈ベストプレイヤー賞〉
京浜 Jazz Explosion 高橋祐一(トランペット)
コンテストを終えて

 個人的には昨年のBCP、今年の京浜 Jazz Explosion、ともにブリュッセル・ジャズ・オーケストラのレパートリーに取り組み、しかも猛烈にかっこいいプレイを聴かせてくれたことが強く印象に残った。本年度ウィナーの面々は3月17日に同所でメインコンサートが行なわれる「しながわジャズフェスティバル」に登場予定。未来のジャズ界のホープたちの活躍を、いっそう楽しみにしたい。

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