銀河系パンクバンド‟Wienners”が2マンツアー「BATTLE AND UNITY TOUR 2023」東京公演を開催。ゲストは水曜日のカンパネラ
■文:原田和典 写真:かい
銀河系パンクバンド‟Wienners”(ウィーナーズ)が、3月7日に2マンツアー「BATTLE AND UNITY TOUR 2023」の東京公演を渋谷CLUB QUATTROにて開催した。この2マンツアーは、Wiennersの4人が注目するバンドやアーティストをゲストに迎えるコンセプト。京都でTETORA、福岡でKANA-BOON、広島でtricot、仙台でバックドロップシンデレラ、名古屋でTHE BAWDIESといった凄腕たちとジャンルを超えて熱い戦いと一体感を届けてきた。そんなWiennersが東京の公演に招いたのは、水曜日のカンパネラ。2021年9月に詩羽が二代目主演・歌唱担当に就任、「エジソン」のTikTok再生回数27億回超えでも話題を集めるユニットだ。
場内の照明が落とされるとほぼ同時に、水曜日のカンパネラの「ティンカーベル」が耳に入ってくる。後方のドアから登場した詩羽は歌いながらステージにあがり、「アリス」(“大きくなったり小さくもなったり”の箇所の振り付けが絶品)、「ディアブロ」、「鍋奉行」などをたたみかけるように披露。客席も含むすべての空間をパフォーマンス会場にするかのような動きが爽快だ。「エジソン」、「招き猫」の必殺二連発に笑顔にならなかったオーディエンスはいなかったことだろう。もちろん、「招き猫」では巨大招き猫バルーンがステージにあらわれた。
Wiennersは2008年に結成され、2015年以降は玉屋2060%、アサミサエ、∴560∵、KOZOの4人で活動を続けている。この日は「SOLAR KIDS」「MONSTER」「BIG BANG」など最新アルバム『TREASURE』からの楽曲を中心に、「恋のバングラビート」「GOD SAVE THE MUSIC」なども含み、さらに「エジソン」をカヴァーするというてんこ盛りのプログラムで満員のオーディエンスを熱狂させた。ひとつの曲の中に次々とキャッチーな旋律が登場して、途中からテンポやフィールも変わっていくあたり、「1曲なのにメドレーを聴いている」感じだ。間奏や前奏も切り詰めたような楽曲には、しびれるような疾走感と潔さがある。玉屋2060%の鋭い歌声と、アサミサエの柔らかな歌声の対比も快い。対バンライブの楽しみは、‟セッションがあるかどうか”でも大きく変わってくる。そしてそれが、この日はあった。Wiennersと水カンのコラボが実現したのだ。アンコールで、アルバム『BURST POP ISLAND』収録の「UNITY」を披露。バンドをバックに歌う詩羽の珍しさ、5人一体となって放つ‟いま、ここにある音楽を心から楽しんでいる感じ”に魅入った。詩羽が舞台をおりてもアンコールを求める観客の声と拍手は止まず、Wiennersは「Cult pop suicide」を熱唱・熱演。この勢いを保持したまま彼らは3月9日に梅田CLUB QUATTROにて「BATTLE AND UNITY TOUR 2023」の大阪公演を行ない(ゲストは呂布カルマ)、ツアーを大成功のうちに締めくくった。
『BATTLE AND UNITY TOUR 2023』@渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
- SOLAR KIDS
- SHINOBI TOP SECRET
- MONSTER
- カンフーモンキー
- YA! YA! YA!
- エジソン (カバー)
- BIG BANG
- ANIMALS
- FACTION
- 恋のバングラビート
- TRADITIONAL
- FAR EAST DISCO
- GOD SAVE THE MUSIC
- 蒼天ディライト
- よろこびのうた
ENCORE - UNITY with 詩羽 (水曜日のカンパネラ)
- Cult pop suicide