あまりにも多彩な、アコギ弾き語りの祭典「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2023 supported by 奥村組」が両国国技館で盛大に開催

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 相撲の殿堂でアコースティック・ギターの弾き語りが満喫できる……名物イベント「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2023 supported by 奥村組」が3月4日と3月5日の二日間にわたって開催された(今年で8回目)。土俵に見立てたセンターステージでミュージシャンがパフォーマンスし、それに360度囲むオーディエンスが生き生きした反応を送る。まさにワン&オンリーのジャンボリー(祭典)である。
 音楽ジャーナリストの原田和典と、以前雑誌の連載で共に数々のライヴ取材をおこなってきた元編集者の柿沼良輔は、昨年に引き続きこのジャンボリーに参加した(初日)。ここでは対話形式でレポートをお送りしたい。(原=原田、柿=柿沼)
 

原 「アコースティック・ギターの弾き語りって、こんなに多彩なんだ」と思わせてくれる一大イベント「J-WAVETOKYO GUITAR JAMBOREE 2023supported by 奥村組」が開催され、我々は初日公演に足を運びました。引き続き感染対策に気を付けながらも、昨年よりさらに盛り上がった印象を受けました。
柿 「3年ぶりのフルスペック開催」とのことですが、相変わらずの満員御礼、人気イベントですね。ライヴは昼の14時から始まって、終演は結局21時と、たっぷり時間がありました。昨年も「コスパのいいイベント」なんて声が聞こえてきた通り、行けば1日退屈しない、寄席みたいなシステムだなと改めて思いました。升席には子連れのファミリーがいたり、かなりフレンドリーな空気感も昨年のまま。
原 トップ・ミュージシャンの弾き語りを、マス席や砂かぶり席でも楽しめるのは両国国技館ならです。呼び込みも基本的に相撲になぞらえていて、行司の呼び出しを受けて、東西のどちらかからアーティストが出てきます。今年は藤原さくらとReiの鏡開きもあって、お祭り度倍増です。
柿 とはいえ、出演者にとってはなかなかハードなステージでしょうね。昨年も感じたことですが、ギター1本を持ってステージに上がるのが基本ですから、歌唱力、ギターの演奏力、楽曲のクオリティがダイレクトに伝わってきます。オーディエンスからすれば、そこもこのイベントの魅力です。

藤原さくら(左)とRei
Photo by 上飯坂一

原 大物も次々と登場しますし、新鋭アーティストにとってはファン層を厚くする勝負の場でもあったことでしょう。オープニングアクトの林龍佑(fusen)、今年の成人式でも着たという振袖で登場したみゆな、前回の「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2022」アマチュアオーディションでグランプリを獲得したCLOW、それぞれに聴き入らせてしまう力がしっかりありました。
柿 僕が「おっ」と思ったのは七尾旅人でした。
原 意外にも今回が初登場だそうですね。
柿 素朴な語り口で歌う「ストリッパーのおねえさん」で、グッと歌詞の世界に引き込まれました。堂々としたステージング、マイクなしで歌を響かせる声量……ベテランの貫禄を感じました。
原 “おねえさん”を“おねいさん”みたいに発音していて、それがまたリズミカルでした。

林龍佑(fusen)
Photo by 上飯坂一
CLOW
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みゆな
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七尾旅人
Photo by 上飯坂一

柿 秦基博の登場から、高橋優、斉藤和義と会場は盛り上がる一方でした。日本の音楽シーンの真ん中にいる人たち、メジャーな名前が続きましたからね。秦基博は「ひまわりの約束」、高橋優は「明日はきっといい日になる」、斉藤和義は「やさしくなりたい」など、多くの人が知るヒット曲ではスタンディングでの手拍子もあり、会場が一体になるライヴ感がありました。
原 定番曲を持つことの強みが伝わりましたね。幕間では、グローバーが登場しました。SKA SKA CLUBやJacksonvibeで活動してきた方ですね。
柿 この日、披露した「DIVE!」がソロデビュー曲になるとのことです。昨年は真心ブラザーズのステージでアンサンブルが聞ける……という展開がありましたが、今年のそれは藤原さくら×Reiという感じだったのではないでしょうか。二人それぞれの曲をじっくりと聴かせる形でしたが、Reiのギターヒーローぶりをみせるギターソロもあり、なかなか見応えがありました。
原 藤原さくらはジャズ、Reiはブルースやロックに造詣が深いですし。

秦基博
Photo by 上飯坂一
高橋優
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斉藤和義
Photo by 上飯坂一
グローバー
Photo by 上飯坂一
藤原さくら(左)×Rei
Photo by 上飯坂一

柿 この日のヘッドライナーと言えるのが、ポルノグラフィティの岡野昭仁。呼び込みの前からオーディエンスは総立ちでした。ただでさえ人気のポルノグラフィティですし、この規模で彼の歌を聴けるのはものすごくレアでしょう。
原 常に大会場でプレイしているイメージがあります。
柿 初めてこの人のステージを見て感心したのは、シンプルに歌がうまいことでした。この日もハイトーンで歌うヒット曲が連続で披露されたわけですが、声の質がまったくCDと同じ! 1曲
目の「アポロ」は1999年のリリースだそうですが、20年以上経った今も、当時と同じ声でここまでしっかり歌える人もなかなかいないでしょう。そこに、ひとり演奏だからこそのたっぷりとした“溜め”が加わるのもギタージャンボリーならではでした。
原 “ならでは”があると、そのライヴに足を運んだ喜びが倍増します。

岡野昭仁
Photo by 上飯坂一

柿 最後に特別演目として披露されたのが、TOSHI-LOW×高橋 優×岡野昭仁×斉藤和義という4人の演奏でした。マイクを中央に置いたトラディショナルスタイル。PAによる効果は最小限で、ギターと歌の音を楽しんでもらうという趣向とのこと、TOSHI-LOWと岡野昭仁は初対面だったそうです。
原 昭和40年代のフォーク・コンサートには、こういう出会いやセッションもよくあったのかなと想像してしまいます。
柿 実際にPAの効果は最小で、音はそれまでより圧倒的に小さいんですが、こと生々しさというか「ライヴ感で言えば間違いなくこの日のベストでした。キース・ジャレットのコンサートで耳を澄ますが如しですね。(RCサクセションバージョンと思しき)「明日なき世界」のメッセージが沁みました。
原 TOSHI-LOWは5日公演にソロで登場。両日出演は、ギタージャンボリー史上初めてのことだそうです。
柿 会場の両国国技館といえば、土俵と客席の近さが特筆されるところですが、この日も出演者の「近さ」が感じられる素晴らしいイベントでした。

TOSHI-LOW×高橋 優×岡野昭仁×斉藤和義
Photo by 上飯坂一

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