内田彩 約1年半ぶりにワンマンライブを開催。バンドやオーディエンスと一体となった格別のパフォーマンス
■文:原田和典 写真:草刈雅之
声優アーティストの内田彩がワンマンライブ「AYA UCHIDA 真夏の感謝祭“How have you been!”」を8月6日に東京・新宿ReNYで開催した。昼夜2回公演は、いずれもソールドアウト。筆者は昼公演に足を運んだが、会場に到着して最初に圧倒されたのが客席内の異様なまでの熱気だ。ワンマンライブが約1年半ぶりであること、スタンディング形式が約4年半ぶり(!)であること、ライブハウスならではの近距離であること、マスク使用のうえであれば声出しOKであることなど、さまざまな嬉しい要素が重なって、オーディエンスの気迫をさらに高めたのだろう。
そして本日の主役・内田彩は、浴衣+スカートという、和のテイストをしっかり感じさせるコスチュームで登場。オープニングの「Say Goodbye, Say Hello」からパワー全開で歌い、ファンも気合の入った声援、カラフルなキンブレで応える。2曲目では早くも最新シングル「Preview」(TVアニメ「転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~」オープニングテーマ)が登場。バンドメンバーの黒須克彦(ベース、バンマス)、SHiN(ドラムス)、櫻田泰啓(キーボード)、三沢崇篤(ギター)と一丸となってのパフォーマンスに、客席は沸きまくる。とくに、24インチぐらいはあるはずの大きめのキック(バスドラ)をタイトに踏み込みつつ、歌に合いの手を入れるように叩くSHiNのドラム・プレイは、見ても聴いても格別の快感を運んでくれた。
MCパートで「皆さん(バンド)のかっこいい演奏に支えられながらヘラヘラやっていきたい」と語っていた内田彩だが、その歌声は時に優しく、時に力強く、深いニュアンスに富む。エナジー全開の「Go! My Cruising!」があるいっぽうで、「最後の花火」では情感豊かに、歌詞のひとことひとことを語り掛けるように歌う。「キリステロ」では客席から大きな合唱が起こり、「声」では真っ白のキンブレ群が、熱唱する内田を照らした。矢継ぎ早に音楽が続いた本編のあとは、リラックスしたトークもたっぷり含むアンコール部分に。「久しぶりでしたけど、みんな何してた?という感じでつけました」とライブタイトル“How haveyou been!”について説明したり、この夏の楽しかった思い出についてバンドメンバーやオーディエンスと会話したりしたあと、ふと飛び出したのが「私には忘れられちゃった夏、来なかった夏がある」という言葉。そこから「夏休みが来るまえに」が歌われた。そう、日本コロムビアの創立110周年を記念して2020年6月に行われるはずだったが、コロナ禍で中止となった『#コロちゃんフェス』のテーマソングである。音源では悠木碧、伊藤美来、村川梨衣、Machico、和氣あず未、富田美憂との計7人で歌唱していたが、今回はもちろん内田彩のソロ歌唱で楽しませてくれた。そして、昼の部のオーラスは「Growing Going」。彼女のファーストオリジナルアルバム『アップルミント』(2014年)に収録されていたナンバーを、2023年の、さらに完成度を高めた歌声で聴けるのは幸せなことだ。
「AYA UCHIDA 真夏の感謝祭“How have you been!”」は昼の部・夜の部ともに、8月20日までアーカイブ映像期間限定有料配信中(ドワンゴチケット)。また、デビュー記念日の11月12日には東京・山野ホールでワンマンライブ「AYA UCHIDA LIVE 2023 Welcome to Uchida Party!」を行い、今秋には4年ぶりのオリジナルフルアルバム『MUSIC』もリリース予定。内田彩はますます加速する。
『AYA UCHIDA 真夏の感謝祭“How have you been!”』
@新宿ReNY セットリスト(DAY)
- Say Goodbye, Say Hello
- Preview
- Candy Flavor
- スニーカーフューチャーガール
- Go! My Cruising!
- 最後の花火
- ONE WAY
- ANSWER
- キリステロ
- 声
- SUMILE SMILE
- Endless roll
ーENCOREー - 夏休みが来るまえに
- Growing Going