伊藤美来 “毎日がギフト” 充実の最新アルバムを携えたツアー・ファイナルを盛大に開催
■文:原田和典 【写真提供:日本コロムビア】
声優アーティストの伊藤美来が、5月21日にツアー『伊藤美来 Live Tour 2023「Every Day is a Gift」』のファイナル公演を東京・東京国際フォーラム ホールAにて開催。ニューアルバム『This One’s forYou』からのナンバーや、根強い人気を持つソロ・デビュー曲「泡とベルベーヌ」など全18曲を快唱した。
「“毎日がギフト” そんな日々に寄り添えるライブになりますように。」という思いをこめた公演。ステージ上にもギフトボックスを模したセットが並び、色とりどりのライトが華やかさを付け加える。バンド伴奏ではなく、トラック使用のステージ。音響が明快で、ベースやキックの出音もいい感じだ。先におこなわれた兵庫・神戸国際会館こくさいホール公演、名古屋・名古屋市公会堂公演は雨模様だったそうだが、東京公演は快晴に恵まれた。この話を伊藤美来はどこか勝ち誇ったように語り、観客が盛大な声援でそれに応える。
広いフォーラムAのステージで、数千人のオーディエンスの視線を一手に集めるのは、そのままアーティスト・パワーの証明だ。楽曲も、スウィング・ジャズ調、ブラック・コンテンポラリー・テイスト、シティ・ポップ、ソフト&メロウ(「laid back」「No Color」「ユニットバス」と続く箇所の、なんと甘美なことか)、バラード、いわゆるオールディーズ(簡単にいえば、ビートルズ来襲前のアメリカン・ポップス)風味を感じさせるもの、と曲調も多彩。洋楽のテイストが感じられるところも心地よい。
MCの中でも「いい曲に恵まれてきた」というようなことを語っていたが、まさにその通り。メロディやアレンジに恵まれている強み、声優活動との相互影響によっても培われたのであろうよく通る声、表現者としての輝きが、伊藤美来にはある。レパートリーによって登場した4人のダンサーとも、息の合ったコンビネーションをみせた。ファンにとっては、約3年半ぶりに発声が可能になったということも嬉しい出来事のひとつだったはずだ。彼ら、彼女たちは、声援を送るところでは送り、MCパートではしっかり呼びかけに応えつつ、しかし歌にはじっくり聞き入る。伊藤美来の充実ぶりと共に、ファンの暖かさも感じられた公演だった。
『伊藤美来 Live Tour 2023「Every Day is a Gift」』
@東京国際フォーラム ホールA セットリスト
- Gift
- 100年前に会いましょう
- TickTack Invitation
- laid back
- No Color
- ユニットバス
- 気づかない?気づきたくない?
- Oh my heart
- Born Fighter
- 恋はMovie
- Shocking Blue
- 青100色
- PEARL
- La-Pa-Pa Cream Puff
- トロイメライ・ミライ
- Good Song
ーENCOREー - 泡とベルべーヌ
- No.6