アルゼンチン・アメリカ合作。映画『邪悪なるもの』が1月31日公開

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■文:原田和典

救いなき絶望のオカルト・ホラー

 夢も希望もない、という印象を受ける。現実社会がこんなだったらいてもたってもいられないだろう。が、映画は学びを与えてくれる。劇中の彼らはどう考え、どう行動していくか。では、自分がこの場にいたら、何をしたいか、何ができるか、それともただ逃げ回るだけか??

© 2023 Digital Store LLC
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 「神なき世界」がモチーフ。悪魔に憑依され、体が腐敗していくものがいる。彼らは処理人(もちろん、憑依されていない)によって処理される必要があるのだが、すべての物事が円滑にいくわけではない。悪魔の力は予想を広がっていくのだ。そして自分の家族の中から“悪魔憑き”が出た場合、残された家族はどうするか?たとえ一家から“悪魔憑き”が出たとしても血がつながっているのだ。「業者による処理」を依頼するよりも、「それでも共に生きる」道を選ぶのが親族としては当たり前であろうと私には思われる。情は理を超えるのだ。
が、それが、結果として村に大きな打撃を与えることとなる。もうひとつ、この映画では「7つのルール」が重要なポイントとなっている。見ていると「悪魔の憑依」と「パンデミック」が私の中でオーバーラップしていくのだが・・・ 英語タイトルは「WHEN EVIL LURKS」(「邪悪が隠れて待っている時」という感じか)、監督・脚本:デミアン・ルグナ、出演:エセキエル・ロドリゲス、デミアン・サロモン、シルビナ・サバテール、エミリオ・ボダノビッチほか。シッチェス・カタロニア国際映画祭 最優秀長編映画賞受賞作品。1月31日(金)から新宿武蔵野館ほか全国ロードショー。

『邪悪なるもの』
監督・脚本:デミアン・ルグナ
音楽:パブロ・フー
撮影:マリアノ・スアレス
出演:エセキエル・ロドリゲス、デミアン・サロモン、シルビナ・サバテール、
エミリオ・ボダノビッチ

2023年/アルゼンチン、アメリカ/スペイン語/カラー/シネスコ/5.1ch/100分
字幕翻訳:金関いな/原題:Cuando acecha la maldad/英題:When Evil Lurks
レイティング:R15+

配給:クロックワークス

▼公式サイト
https://klockworx.com/movies/jaakunarumono/

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