韓国三大心霊スポットのひとつにまつわる身の毛のよだつ物事の数々。映画『ヌルボムガーデン』1月24日公開
この恐怖の連鎖に、どう立ち向かう?
■文:原田和典
忠清北道堤川市に実在するという「ヌルボムガーデン(ヌㇽボㇺガーデン)」は、「韓国3大心霊スポット」のひとつとして知られているという。もともとはレストランで一時期はかなりの盛況だったそうだが、やがて経営者の一家に不幸がふりかかり、レストラン前の道路で少女が事故死、そのショックから父はガス管で首を吊り自殺、母もまたこの世を去った。いわば大変な「わけあり物件」なのだが、所在地自体はよかったのか、レストランがなくなっても廃墟になることはなかった。
本作はその「ヌルボムガーデン」にまつわる都市伝説をひんやりと描き切った一作。とても幸せな新婚生活を送っていたように見えた夫・チャンスが命を絶ち、妻・ソヒは流産。チャンスは他界前に「ヌルボムガーデン」に移り住む契約を終えていたので、ソヒはそこに住むことにしたのだが、「ヌルボムガーデン」の中には、確かに死んだはずのチャンスがいたのである。ここから物語は二転三転するのだが、物語のポイントとして押さえておきたいのは、疾走して数か月が経っていた女子高校生・ヒョンジュの存在。彼女が狂言回し的役割を担っているように私には思えるのだが、とにかく謎が謎を呼び、しかもしっかりと恐怖に浸ることができる一作だ。
監督・脚本はク・テジン(『女神の継承』『チェイサー』のプロデューサー)、出演はチョ・ユニ、キム・ジュリョン、ホ・ドンウォンほか。1月24日から全国公開。
2024年製作/90分/PG12/韓国
原題または英題:Spring Garden
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2025年1月24日