「松竹ブロードウェイシネマ」シリーズが5年目に突入。最新作はミュージカル・コメディ『アーネストに恋して』

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■文:原田和典

ⒸJeff Carpenter 

 ニューヨーク・ブロードウェイの劇場などで収録された舞台を、日本の映画館にいながら楽しめる(しかも字幕付き)。そんな好企画にして日本史上初のプロジェクトである「松竹ブロードウェイシネマ」シリーズが5年目を迎えた。
 10月4日から公開されているのは、『アーネストに恋して』(原題;Ernest Shackleton Loves Me)。“アーネスト”とは三度イギリスの探検隊を率いた実在の探検家、アーネスト・シャックルトンのこと。ふらふらしたバンドマンの彼氏を持つ現代女性・キャット(猫ではなく、“キャサリン”か何かの愛称だろう)が、あらゆる予想を飛び越えた方法で1874年に生まれ(つまり今年で生誕150年)、1922年に亡くなっているはずのアーネストと出会い、心を通じ合わせて、時にドタバタ、時にしっとりと物語を綴っていく。私は2010年代の半ば、この作品をニューヨークの「トニー・カイザー・シアター」で見て、コメディならではの突飛な発想に驚くとともに、言語の問題ゆえ、英語ネイティヴのひとがいろんなところで笑っているのをうらやましく感じた。が、今回は字幕がついているし、なによりも、劇場で見るよりもずっと役者たちの表情を近くで見てとれる。そこがうれしいではないか。


 フレット付きのエレクトリック・ヴァイオリンを弾きながら歌い、演技するキャット役のヴァレリー・ヴィゴーダはジャネット・ジャクソンやシンディ・ローパーのツアーに参加したこともあるミュージシャン。アーネストや、キャットの彼氏を演じるウェイド・マッカラムは『マイ・フェア・レディ』、『キャバレー』、『ジャージー・ボーイズ』などの舞台にも登場するベテランだ。ニューヨークのオフ・ブロードウェイ・アライアンス最優秀ミュージカル賞を受賞した作品を、じっくりとお楽しみいただきたい。

【作品公開情報】
▪ 作品名:『アーネストに恋して』
▪ 公開日:2024年10月4日(金)より全国順次「期間限定」公開!
▪ 公開情報:https://broadwaycinema.jp/
▪ 配給:松竹
ⒸBroadwayHD/松竹

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