映画『3ミリの恋』 青春のエモーションが爽やかに炸裂。心を平和にする日韓合同製作作品

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■文:原田和典

 青春はいいなあ、タイムレスだなあ、と思いながら鑑賞した。タイトルの“3ミリ”は、とある地図に載っている日本の唐津と韓国の釜山の距離を定規で測ったところ、わずか3ミリであったところから来ている。監督は在日韓国人3世の全辰隆(チョン・ジニュン)。これが初の長編であり商業デビュー作であるとのことだが、登場人物のセリフには、監督の思いもずいぶん反映されているのではないかと感じられた。
 佐賀県唐津市の釣り好きの高校生であるタツヒコのクラスに、釜山からの留学生ユンスルが留学生としてやってきた。実はもうこの時点でふたりは面識があったのだが、それは映画本編に詳しい。タツヒコとユンスルはどんどん親しくなっていき、ユンスルがなぜ留学先に唐津を選んだのかなども、実に分かりやすく描かれていく。が、日本と韓国の歴史教育は予想がつくように決して同一コンセプトではなく、1910年8月から45年8月に至る期間に関してはすさじくややこしい。とあるタツヒコの一言から、ユンスルは半ばあきらめ(だと思う)の気持ちで日本を去る。
 だが、タツヒコはユンスルに好意を持っているし、それはたぶん向こうもそうなのだ。そこからが「青春の熱さ」の醍醐味そのものなのだが、この先は、すべてがネタバレにつながっていそうなので省略する。この世の中にはあまりにも愛情と理解が足りていない、皆がタツヒコやユンスルのようなマインドになれば、荒涼とした場所にも花が咲くであろうにと感じたことだけを記す。主演は『国宝』などにも出演した黒川想矢、韓国で動員1000万人超えを達成した『破墓/パミョ』に出ていたキム・ジアン。11月6日から全国公開。

『3ミリの恋』
11月6日(金) 全国公開
監督:全辰隆(チョン・ジニュン)
出演:黒川想矢、キム・ジアンほか
配給:東映、東映ビデオ

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